彼女の恋、私の恋、そして……


彼女から結婚式の招待状が届いた。
それを見た瞬間、私は、
(おめでとう、よかったね)
そう心の中で呟いていた。

彼女と私は学生時代からの親友だった。
いつも二人一緒に泣いたり笑ったり、お互いに親にも言えないことでも相談し合える、そんな仲だった。
彼女は心が弱いところがあって、私は、彼女を守ってあげたい、と思うことがよくあった。私自身、そんな強くはなかったのに。
だから私はいつも彼女の悩みを聞いて、時には元気づけたり、一緒になって考えたり、力になってあげていた。
そして二人ともいつも誰かに恋をしていた。
一つの恋が終わると、もう誰も愛せない……そんなふうに二人して涙を流したこともあった。
でも、恋の悩みはどちらかというと彼女の方が多かった。

ある時、彼女はとてもつらい失恋をしてしまった。
「もう男の人を好きになれないわ」
そのとき彼女は私の前で思いっきり泣いた。
そんな彼女の姿を見ていた私も、なぐさめの言葉が見つからず、いつの間にか彼女と一緒に泣いていた。

しかし、彼女はまた新しい恋をした。それはとても素敵な恋だった。
「ねえ見て、これが彼の写真よ。彼ってね、すごく優しい人なのよ」
その時の彼女の恋は、とても純粋でまっすぐだった。
そんな彼女の恋を、私は心から応援した。それがまるで自分自身の恋であるかのように。
そして彼女は、その素敵な恋を実らせて結婚する。

「私たち親友なんだから、結婚してもいままでどおり電話でもメールでもしてね」
彼女は私に対してきっとそう言うだろう。
でも私は、そんな彼女のことを遠くから見守ってあげたい。
それに、彼女には自分自身の幸せ、それだけを考えて欲しいと思う。
それにはもう私は必要ないでしょう。彼女にとって一番大切な人がすぐそばにいるんだから。

私のことは心配しないで……私もまた恋をしている。
この恋が実るかどうか、それはまだわからない。ただ自分を信じてまっすぐ歩いていくだけ。
でも、もしこの恋に破れても、今の私はきっと輝きを失わないだろう。
なぜそう思えるのかって?
それは、私も前よりずっと強くなっている、そのことを彼女が教えてくれたから。

招待状に書かれた彼女の文字……。
それはとても優しくて、それでいてどこか力強くさえ感じられた。

      

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