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ハートリーフ
ハートリーフ……それはラブラブハートとも呼ばれる観賞植物で、ハート形をした肉厚の常緑葉と星型のピンクの花、そして愛らしいネーミングで人気がある。その形からなのか、『恋を叶え愛をはぐくむ力がある』と言われている。
その日、彼女は仕事帰りにお気に入りの雑貨屋に立ち寄った。
このところいろいろと忙しかったので、彼女にとってその店を訪れるのもずいぶん久しぶりのことだった。
しばらく店の中を見て回っていた彼女の目に、鉢植えのハート形をした植物の姿が映った。
「かわいい!」
彼女は小声で呟いて、同時に微笑みを浮かべながら、その植物をじっと見つめていた。
すると、そばにいたなじみの店員が彼女に話しかけてきた。
「その植物はハートリーフって言って、最近入荷したんですよ。それを大切に育てていると、望みが叶うっていうことで、若い女性には人気があるみたいですよ」
彼女はしばらくそのハートリーフを見ていたが、やがてその中の一つを手に取ってレジへと向かっていった。
こうして彼女はハートリーフと一緒の生活を送ることになった。
日当たりの良い、窓辺の机の上に置かれたハートリーフ、そしてそれが植えられている鉢にもかわいらしいハートのデザインが施されていた。
「おはよう! 今日もお留守番頼むわね、行ってきます」
彼女は毎朝ハートリーフに話しかけ、そして仕事へ向かうのであった。
彼女がハートリーフと一緒に暮らし始めて三日目に、嬉しい知らせが届いた。
それは、在庫がなくて注文していたバッグが入荷したという知らせだった。
あと一カ月先ぐらいだと聞いていたので、予想外の早い入荷に彼女はとても喜んだ。
さらに十日目には、久しぶりに仲の良い友達が集まっての食事会、そのとき彼女にはまた嬉しいことがあった。
「しばらく見ないうちに、なんか変わったわね。きれいになったみたい」
彼女は友達にそう言われたのだった。
(もしかして、これってハートリーフのせいなのかな)
嬉しい出来事が続いて、彼女はあのハートリーフが自分に幸運を運んできてくれたと思っていた。
それは事実ではないかもしれない、でも彼女はそう信じることにした。
そして二十四日目、その日は彼女の誕生日だった。
彼女は自分へのプレゼントとハートリーフへの感謝の気持ちを込めて、新しいハートリーフを買った。
(もし本当に、ハートリーフに恋を叶える力があるのなら……今、私の恋は現在進行形の片思い、でもこの恋が叶ったら、この新しいハートリーフを彼に贈ろう。それまでは私が大切に育てよう)
彼女は心の中で呟き、優しい微笑みを浮かべながら、机の上に並んでいる二つのハートリーフを見つめていた。
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