想い出がいっぱい


私は彼と別れた……。

私は彼のことが好きだった。彼も私のことが好きだと言ってくれた。
でも、彼はいつも誰か他の女性のことを思っていた。
「誤解だよ」と彼は笑っていたが、私はいつもそんな気がしていた。
そんな自分が嫌いになって、私は彼と別れた。

彼と一緒に写っている写真、彼からの手紙、プレゼントされたオルゴール……。
彼との思い出が残っているものを片づけている私の目に、ふいに中学時代の卒業アルバムが飛び込んできた。
そのとき私は、久しぶりにそのアルバムを手に取ってみた。

中学生のとき、私には特に仲の良かった三人の友達がいた。
私たち四人は何をするにも、どこへ行くにもいつも一緒だった。
その卒業アルバムにも、たった一枚だけど、私たち四人だけで写っている写真が載っていた。
写真の中の四人はみんな、弾けるような、そして屈託のない純粋な笑顔を見せていた。

私たち四人は、よく自分たちの将来の夢について話していた。
みどりは白衣の天使に憧れていて、将来は絶対ナースになる、って言っていた。
彼女はその夢をかなえて、今は病院で忙しい日々を送っているらしい。

美知子は子供が大好きだからと言って、幼稚園の先生になりたい、って言っていた。
でも彼女は結局平凡なOLになった。それでも彼女はそのOL生活を結構楽しんでいるようだ。
その時の夢って、彼女はもしかしたら忘れてしまっているかもしれない。

そして香は将来はかわいいお嫁さんになるんだ、って言って、いつもみんなに自分がお嫁さんになったときの姿を想像して話してくれていた。
でもそんな彼女は今、仕事が大好きなキャリアウーマン。一生独身でいるわ、って冗談っぽく言っている。

そんな私はというと、長距離走が得意だったので、将来の夢はオリンピック選手だった。
高校時代も長距離走の選手だったが、結局オリンピック選手にはほど遠かった。
でも、今ではそれも懐かしい夢……そんな夢を見れただけでも楽しかったと思う。

そんなことを思い出しながらアルバムを一枚一枚めくっていると、みんなと過ごしたあの日の記憶が甦って、私の顔には自然に微笑みが浮かんできていた。
(また四人で集まって、あの頃に帰りたい……)
最後まで見終わったアルバムを閉じた私の心の中に、自然にそんな気持ちが沸き上がってきた。

想い出がいっぱい詰まった卒業アルバムは、疲れていた私の心を優しく癒してくれた。

  

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