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ピンクサファイア
最近知りあった彼女……その彼女は占いが大好きだった。
星座占い、血液型占い、タロット、その他ありとあらゆる占いを見ては一喜一憂していた。
「今日は○○テレビの占いで、私の星座は十二位だったのよ、もう最悪〜」
「今月は金運が悪いのよね〜 あんまり衝動買いしないようにしよう」
「課長はB型だから、私とは相性悪いのよね。だからいつも怒られてるんだわ」
こんな調子で、いつも占いの結果を気にしていた。
僕は占いというものを全く信じないほうなので、彼女がなぜそんなに占いを気にするのかよく理解できなかった。
そのせいか、彼女も僕の前ではあまり占いの話はしなかったが、それは僕にとっては気を使わなくてすむ反面、ちょっと物足りない気もしていた。
そんな彼女に、僕は誕生日のプレゼントを贈ろうと、彼女の誕生日を二週間後に控えたある日、彼女に尋ねた。
「なあ、もうすぐ君の誕生日だけど、プレゼントで何か欲しいものはあるの?」
それを聞いた彼女は、
「そうねぇ、私九月生まれだから、九月の誕生石のサファイアの指輪が欲しいわ」
と言った。
そして彼女の誕生日、僕は彼女と一緒にサファイアの指輪を買うために宝石店に行った。
「サファイアといえば、やはりブルーが一番人気がある色ですから、これなんかいかがでしょうか、よくお似合いだと思いますよ」
その宝石店の若い女性の店員さんは、彼女にブルーサファイアの指輪を勧めてくれた。
しかし彼女は、
「すみません、私ピンクのサファイアが欲しいんで、それを見せてもらえますか?」
と言った。
その店にピンクサファイアの指輪は三種類ほど置いてあったが、彼女はそのうちの一つを選んだ。
僕は代金を払って、プレゼント用の包装をしてもらい、彼女にそれを手渡した。
宝石店をあとにして、カフェでお茶を飲みながら、僕は彼女に尋ねた。
「どうして一番人気のあるブルーサファイアじゃなくて、ピンクサファイアを選んだの?」
その僕の問いに対して、彼女は当たり前のように答えた。
「だって雑誌の占いによると、今月の私のラッキーカラーって、ピンクなんですもの」
僕はそれを聞いて、いかにも彼女らしい答えだな、と思っていた。
しかし、彼女がピンクサファイアを選んだ本当の理由は、実は他にあった。
それを彼女は教えてくれなかったので、僕は知るよしもなかったが、彼女は自分だけの心の中に留めていた。
(ピンクサファイアは恋をかなえる魔力を持っているの。だから、あなたとの恋がこれから成就するように、このピンクサファイアを私の守護石にしたいのよ)
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